難しい編み物や、初めての仕事、人間関係などは、初めのうちは自分の内面に革命がある。
やってもやっても失敗してしまう編み物は、革命そのものだ。
全く同じ網図なんてないから、正しい模様編みの構造、すなわちどういう見え方をするのか、を知るまでは、全く毎日が試行錯誤で、試行するたびに自分の中に革命が起こる。
どうやったらうまくいくだろうか。はて、疲れて間違って編み直し。
「こんな複雑なの編めたっけ?」という自問自答。「いや編めるはずだ。」1からではなく、0からもう一度編み始めるときに自分に言う。
そんなささやかなさざなみのような思考が自分のうちに寄せては返すうちに、パターンが見えてきて、最小公倍数がわかってきて、目数リングが適宜編棒の上に配置され、時には1目だけでも区別され、やがて革命は静まっていく。淡々と編む日常に戻っていく。
左手の中指で糸を調節する強さも、何度も失敗するうちに調整されていく。
編み物の醍醐味はこの編み始めの革命かもしれない。ささやかな革命に結構毎回ドキドキする。
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